遙か昔僕がまだ20代の頃スキーが好きで突然長野県の白馬村に住んだことがありまして。
そこでの生活は先ず庭に芝を植えるところから始まりました。

“好奇心集団sujaku”へお越しいただきありがとうございます。ossans倶楽部のオレンジです。

 

は芝刈り

植木屋のおっさんに「芝生を植えてくださいまし~」と電話してから待つこと4ヶ月。

雪国の時間の流れの優雅さに癒され(ほんまはイライラしながら)、まあとにかくは庭一面に芝が植わったわけです。

「おおー!なかなか青々として気持ち良いでないの」と感激したのはその日1日だけ。

芝生って実は伸びるんですよ(知らんかった)

伸びるんなら刈らなしゃーないやろ。
早速、電動の芝刈り機を買ってきまして庭の端から端まで生まれて初めての芝刈りです。

これが中々大変なんですよねぇ。

何しろ庭が300坪もあるもんやから朝から初めて昼飯休憩して、そしてまた芝刈ってと。
大体全部刈り終わるのが夕方になるんです。

それでも綺麗に刈り揃った芝は気持ちが良いんですねぇ

「よっしゃ、綺麗になったで」

1日作業した疲労感とやり終えた達成感とが入り混じりしばし庭にたたずむオレ(どないしゃはったんですか~?)
その日の夕飯の美味いこと。

しかーーし!

翌日朝起きて庭に出てみたら

「なんやと!また伸びてるやないかい」

早い、恐ろしく早い。

それでもうこうなったら意地や!て感じで、また朝から芝刈り機引っ張り出して刈るわけです。

夕方くたくたになって、よし!今日もやったぞ。
しかしまた翌日には延びた芝を刈るんですわ。

そんな感じで1年目の白馬の夏はずっと芝刈りで終わりました(なんじゃそら)

 

は雪かき

さて雪国の夏は短い...というか冬が早い。

なんと10月の末にはもう初雪が降りました。ちょっと感動なんです。

この頃になるともう芝も伸びなくなってるんですねこれが。

「おお、ようやく芝刈りから解放されるのかぁ」

しかし雪国の冬は早い(なんべんも言うな)

豪雪地帯の白馬では雪が降りだしたら、そらもう積もる。
そんなもん村の人からしたら当たり前やろうけど都会の人間にはびっくりなわけです。

確かにスキーが好きで移り住んだのだから、これは当然といえば当然なんだけどとにかく積もる。

一晩中降り積もった雪は朝になったら玄関の外は背丈まで雪が積もってしまってるから出られん。

こら大変や!

流石に庭中の雪は無理でも玄関から前の道路までは何とかして雪かきをせなあかん。

そこで今度は除雪機なるものを買ってくるんです。
除雪機なんて都会の人は見たこともないと思うけど、信州ではこれはもう一家に一台必需品です。
下手したら2階の屋根からも雪が落ちてきて重なるので、これが無かったら生活できない環境ですから。

でかい!何て言うの?集めた雪を吹き出すエントツみたいなの(名前忘れました 笑)は背丈ほどある。

これを使って玄関から道路まで雪を搔いて道を作るわけです。
かき集めた雪は道路に全部飛ばします。

この作業も中々慣れないと大変で初めての者にはやっぱり時間かかるんです。

どっどっがっがっーと除雪機を操作しながらまあなんとか生活の為の道は確保できたやろ。
極寒に耐える為スキーウェア着込んではじめたのが終わったころには汗かいてTシャツだけになるほど。

まあこれさえやっておけば郵便屋さんも来れるし、買い物だって出掛けられる。

やり終えた時には芝刈りに次いでまたまた充実感に酔いしれる(あほ)

と、そこへ。

どっどっがっがっーと我が家の除雪機とは比べもんにならんほどの大きな音。
村の除雪車が前の道路を横切っていくではありませんか。

ぬをぁんと!!

半日かけて汗かいて除雪して道路に捨てた雪を...
でっかい除雪車がが全部我が家の庭に戻しとるやんけ!

これで一巻の終わりですわ。

唖然と立ち尽くすことしばし。

それからまた夕方まで雪かきですわ(汗)

こうして白馬の1年が過ぎました。

夏は1日中芝刈り、冬は1日中雪かき、何しに行ったんやオレは。

つも白馬岳がそこにある

実は白馬に住んだのはこの1年間だけで、この後音楽関係の仕事をするために京都へ戻ったのです。

結局白馬の思い出は夏の芝刈りと冬の雪かきだけのようになってしまいました(笑)

けれどたった1年でも四季を感じながら暮らすというのを生まれて初めて味わった気がします。

寒くて長い冬の雪解けから春を待つ季節の待ち遠しさ。
いっせいに野に花が咲く解放感。
日中の暑さが夕刻とともに冷えていく避暑地の幸せ。
周りの全てが朱色に染まり刻々と変わる駆け足の秋。
一面白の世界にここだけ世界が取り残されたのかと思える季節。

そんなはっきりとした四季といつも冠雪の白馬岳がそこにある。

都会にいると日常のいろんな事に追われて季節に気づく事もおろそかになりがちです。
本当はこんなにも美しさに囲まれた四季の有る日本だというのを、もう一度思い出したい。

だから僕はまた田舎へ移住する計画を立てるのです。