”好奇心集団sujaku”のリーダーの玉妃(たまき)でございます。
今日は、心にじ~んときたちょっとしたエピソードを聞いていただきたいと思いました。
これまでいろいろなジャンルのブログを書いてきましたが、どうしてもこのエピソードを形として残しておきたくて、今回登場する方のことをずっと忘れずにいたい気持ちが強くて、というのが大きな動機です。
内容は題名のとおりです。よろしければおつき合いください。
Table of Contents
断捨離ですか?
本業でのお客様(M子さん)とは、数年前からのお付き合いをさせていただいています。
ある日、本業とは関係のないある事をお手伝いして欲しいという依頼がありました。
そのある事とは、布団や衣類を捨てたいということなのです。
=断捨離するんやね=
と思っていました。
当日、何のことはなく半日もかからずにあっさりとその断捨離は終わったのです。
「この量で断捨離ですか?」 M子さんに聞いてみました。
「ううん、違うの。私、老人ホームに入るの」
ええ~~っ!!
M子さんは、確か80代前半。一人暮らしで(週に数回お手伝いさんが来られています)、杖はついているもののまだまだお元気。
いつも小綺麗な衣服をまとい、きちんとお化粧をして出迎えてくださるのです。
=考えもしなかった。M子さんが老人ホームに行くなんて。どうして?=
M子さんは、
「こうやって元気なうちがいいのよ。自分のことができなくなってから次のことやっていたら子供たちに迷惑がかかるでしょう」
「この家は?」
まあ、かなり広いお屋敷です。使っていない部屋がほとんど。お掃除も大変だろうけどお手伝いさんいるしなあ。いやいや、そんなレベルで老人ホームには行かないでしょ。
「解体して更地にして売却するの」
断捨離じゃない。終活だ。
愛しい瞬間
当時お子様も含めて4人暮らしのM子さんは、50年以上前に注文住宅として建てられたお家です。
愛着があるに決まっている。もっと住んでいたいはず。
「そりゃ、愛着はたっぷりあるわよ。主人や子供たちとの思い出。でも決めなきゃならない時がある。今だと思ったの。愛しいこの家にはもう住まないけれど、愛しい家族(子供さんたちやお孫さん)が私にはいるから。」
その時のM子さんの表情は、目を細めて愛しい人たちを思い浮かべながら私たちに話してくれたのです。
=愛しい表情ってこんな感じなんだな=
そばで見ていて、なんて美しい表情なんだろうとしみじみ思いました。
=私も、こんな表情ができるおばあちゃんになりたい=
こんな素敵なM子さんとのご縁。私はM子さんがほんとうにほんとうに、この瞬間愛しいと思いました。
とっても目上のM子さんですが、私はいつも下のお名前で呼ばせていただいていたので、そのせいもあってなのか。
いやいやいつも愛くるしく笑い、冗談を言い合い、茶目っ気たっぷりなおばあちゃんだからなのか。
どれもが、M子さんを愛しく思わせる要素だと、この瞬間、このブログを書いている瞬間をも改めてしみじみと感じています。
切ない瞬間
これまでのエピソードからおわかりいただけると思いますが、仕事よりM子さんと話している時間の方がまあまあ長かったのです(笑)
M子さんは、2匹の犬を飼っています。そのワンちゃんたちの行方は、息子さん夫婦のもとで育てられることに決まったそうなんですね。
その犬と言いますと、毎度毎度「ワン!ワン!!」と連続で吠えまくるワンちゃんたちです。
小型犬でかわいいのですが、私たちのことが嫌いなんかい!と思うくらい吠えまくります。
このワンちゃんたちにもエピソードがありまして。
ご主人が生前の時に、M子さんは犬を飼いたいと思ったらしく、じゃあ1匹という条件で許可が下りたらしいのです。
さて、実際に見に行くと2匹の犬が肩を寄せ合ってケージに入っていたらしく、その2匹を離れ離れにさせたくない!ととっさにM子さんは思ったそうです。
そして、なんと即決でその2匹を予約したそうなんですね。
「夫とは1匹の条件だけれど、あの人は優しいから話せばきっとわかってくれる。どんなにかわいいかを伝えてうんと言ってもらおうと思ったのよね。」
文字にするとこんな感じの語りだったのですが、ご主人のことを話す時の表情やしぐさがなんとも言えないくらいかわいらしいのですね。
その語りの中に、どんなにご主人を愛し、愛されてこれまでの人生を送ってこられたのかということを、私たちに自然と想像させる語り口調だったんです。
=とっても仲の良い家族=
案の定、ご主人はM子さんの熱意に根負けして多頭飼いライフがスタート。今日まで一緒に生活して来られました。
M子さんは、そのワンちゃんたちともお別れです。
息子さん夫婦のもとへ行くことを決める時、
「お母さん(M子さん)。僕は、自分の家庭で犬を飼うのは初めてだけれど、実は犬を飼いたい願望があったんだ。それがお母さんの犬でなおさらラッキーだよ。」
と息子さんは言ったそうです。
「まあ、私を悲しませないように言ったんでしょうね(笑)」
ワンちゃんたちの事を話しているその瞬間、ふと涙ぐまれたM子さん。犬たちとのお別れを想像した切なさなのか。ん~~もらい泣き。アカン、私もなんで泣くの???
あんなに毎度私たちに吠えまくるヤツたち。M子さんとダブルでいや2匹いるからトリプルでお別れ。
切ない、切ない、切なすぎる(泣)~~
心強い瞬間
読者様、大丈夫ですか?泣いてませんか(笑)
いや逆に「泣く場面どこ?」と突っ込まれそうな気もしないわけではないのですが。なにせ、文章が上手くないので伝わりにくいのは重々承知しております(笑)
M子さんと歩んだこの数年、様々な出来事、その中にはたくさんの素敵な瞬間があって、その素敵な瞬間がまだまだ続くと思っていてー
=出会いと別れ=
どんな時にも、ついてまわるものだと誰もが思っていることだと思います。
それが、現実になる切なさー
さて、ここまで来て読者様は「終活の話はどこへ行ったん??」とお思いでしょう。
私たちは、断捨離レベルのお手伝いをしたに過ぎません。遺言書の作成や土地の売買など終活ともいえる核心のお手伝いではありません。
終活のノウハウを知りたかった読者様ごめんなさい。そのようなブログではなくて・・・
第三(第四ですかね!?)の人生に足を踏み入れる瞬間に立ち会わせていただきました。M子さんの大切な物を整理するというー
=出会いと別れ=
この事を、覚悟する、体験する。
終活には必ずついてくる事を教えていただきました。
そして、愛しさと切なさも。
最後の心強さって??
「M子さん、どうして私たちに依頼してくださったのですか?」
最後に聞いてみました。
「最後にあなたたちには絶対会っておきたかったの。」
「用もないのに呼べないでしょう。断捨離まがいの仕事でごめんなさいね。」
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私たちには、このようなお客様に支えられています。
普段、忙しくて、瞬間瞬間が流れていく日々も少なからずあります。
(ほんとうに申し訳なく思うお客様もいる)
M子さんのようなお客様に支えられてなんて心強いんだ!!!
M子さん、
心強いです。心強さをありがとうございます。
また会いたい、最後にもう一度会いたい。
そのように言ってもらえるような仕事をしようと心の底からまた新たに決意させていただきました。
仕事とはー
その商品を、そのサービスを、その技術を、
誰から買うか
を改めて実感いたしました。
あなたから買いたい。
玉妃、これからも頑張ります!
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