間もなく京都は紅葉のシーズンを迎えます。春の桜より期間が長いのもあって多くの観光客が訪れ賑わう華やかな京都が味わえます。
今回は普段の穏やかな”侘びさび”から一気に”雅 みやび”の都へ変化するその一歩手前の、人気(ひとけ)のない古寺を訪ねて歩きます。
このほんの一瞬の時期こそが誰もが思い描く京都らしい京都なのかもしれません。京都人がお勧めする【とっておきの京都】です。
現地取材及び撮影日 2020年10月25日
“好奇心集団sujaku”へお越しいただきありがとうございます。ossans倶楽部のオレンジです。
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修学院界隈
叡山電車(通称えいでん)の修学院駅から修学院山へ。山裾に点在する有名寺院を回るだけでも半日はかかるし、それこそ紅葉のライトアップも楽しもうとするならこの界隈だけで丸1日は遊べてしまうほどです。
修学院周辺の寺院
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初めて京都観光に来た人はおそらく超有名どころの清水・金閣・嵐山などかの観光から始まって、そのうちに2度3度と訪れるにつれて足は自然と奥へもっと人気(ひとけ)のない場所へと向くようです。
そんな旅人たちの期待を裏切らないのが修学院界隈です。金閣寺の様な華やかさ、清水寺の様な雄大さはないが、ここには京都らしいわびざびが味わえる風景があるのです。
今回の目的地は修学院山の麓にある曼殊院。
先に鷺森神社でお参りをして、その後里の小道を散歩を楽しみつつ10分程度で曼殊院に至るコースを取ります。
手前の弁財天でもお参りを済ませてから曼殊院に入る行程です。
尚、記事内の写真は全てクリックで拡大ができます。
叡山電鉄 修学院駅
叡山電車は京都市の洛北を走る風情のある電車です。京都の奥座敷・貴船や火祭りの鞍馬へ、また八瀬へも行けます。
- 大阪や京都四条などからは京阪電車 出町柳駅(終点)下車
- 叡山電鉄に乗り換えて4駅目が修学院駅
鷺森神社
古くより修学院・山端(やまばな)地区の鎮守社として親しまれている鷺森神社は貞観年間(859年 – 877年)に比叡山麓、赤山明神の付近で創建されたそうです。
その後、応仁の乱の兵火で罹災し現在の修学院離宮の山林中に移されたましたが、離宮造営の為、霊元天皇の思召しにより現在の鷺の社に社地を賜り、元禄2年6月御遷座になり修学院、山端の氏神社として今日に至っています。
今日一日修学院の地で遊ばせていただく事のご挨拶ということで先ずは鷺森神社で参拝していきたいと思います。
創 建 貞観年間(約一千年前) 御祭神 素盞鳴尊(すさのおのみこと) 御神号 素鬚咫天王(すだてんのう) 御神徳 家内安全・旅行安全・諸願成就 |
鳥居から本殿への長い参道は両側をカエデの並木が続き、紅葉の頃には隠れた名所として知る人ぞ知るスポットです。
出来れば晩秋に紅葉が散る頃に是非とも行かれるのをお勧めします。
御手洗(みたらい)で手と口を清めます。
社務所も雰囲気がありますね。
縁結びの石として祀られている「八重垣」
この八重垣は鷺森神社の御祭神である建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)が詠んだ和歌に出てくる八重垣に由来しています。
【和歌】 八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を
【読み】 やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを
【意味】 雲が幾重にも湧く出雲の地で、妻との新居に八重垣を造ろう。
社務所で黒石を買って八重垣に置き、祈願すると悪縁を絶たたれ良縁が得られます。
祈願した黒石は持ち帰ってお守りにします。
階段を上って御神殿へ。
参拝を終えたら次は曼殊院へ向かいます。
曼殊院 弁財天
曼殊院の手前に弁財天が祀られています。池の橋を渡ると神殿があります。
ここでも参拝していきましょう。
先ほどの鷺森神社ではスサノオマミコト、そしてここではスサノオの剣から生まれたイチキシマヒメ(弁財天)と二人の神様にお参りする事が出来ました。
曼殊院門跡
曼殊院門跡は宗祖伝教大師最澄によって延暦年間(728~806)に創建されました。
その後、暦年間(947~957)き北野天満宮が造営され、是算国師が初代別当職に補され、以後明治維新まで900年間曼殊院は北野別当職を歴任されます。
天仁年間には北山に別院を建立。その後御所内公家町に移転し、明暦二年(1656)に桂離宮の創始者である八条宮智仁親王の第二皇子良尚法親王が入寺され、現在の地に堂宇を移し造営されたのが今日の曼殊院です。
小さな桂離宮と言われる曼殊院は「侘びの美・さびの美」の世界を感じることのできる名院です。
竹内門跡とも呼ばれる門跡寺院(皇族・貴族の子弟が代々住持となる別格寺院のこと)であり、青蓮院、三千院(梶井門跡)、妙法院、毘沙門堂門跡と並び、天台五門跡の1つに数えられる。
院内入口は早くも紅葉が始まりかけでした。
山門のモミジは未だ青いですね。
土塀沿いの斜面に敷かれている苔が綺麗なんです。
それでは院内を拝観させてもらいましょう。
ここからは拙い説明よりも写真で雰囲気を感じ取ってもらった方が良いかと思います。
今回訪れた曼殊院はほんの一部で紅葉が始まりかけてはいましたが、ほとんどは未だ青いモミジでありました。
それも後1、2週間の間にはすっかり色めいてその頃には沢山の観光客で賑わうのでしょう。
シーズンの始まる直前に、または終わりかけのぎりぎりをあえて選んで楽しもうとするのは、行列を嫌う京都人の習性なのかもしれません(笑)
とっておきの京都
実は【とっおきの京都】をこのブログでシリーズ化しようとして、最初の記事「雅とわびさびの都へようこそおこしやす」の次に春の桜を記事にしようと書き始めたのですが、途中なかなか進まないままに気づいたらもうすっかり季節は夏を通り越して秋になってしまったのです。
それならばと、この季節にしかないほんの瞬間(いっとき)の京都を味わってもらいたく記事にしてみました。
観光シーズン手前の人気のない雰囲気を見ていただけて、こんな京都もあるんだなと少しでも楽しんで貰えたのなら幸いです。
二十四節気の頃なら今は霜降(そうこう)。秋から冬へ移る時期では市内の各茶室で炉開きが行われるのです。
間もなく京都は朱一色に染まります。
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