17もの世界遺産を抱える京都。その魅力は華やかさと質素、いわゆる「雅 みやび」と「わびさび」です。
“好奇心集団sujaku”へお越しいただきありがとうございます。ossans倶楽部のオレンジです。
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とっておきの京都
観光におこしやすお方には表向き華やかに映る寺社仏閣も、京都人の質素倹約から頑なに守ってきた神事事が作り出してきたもんなんどすえ。
京都人の生活は1年を通して全て神事事で明け暮れるというても過言ではありまへんどすえ(どんな京都弁や?)
もう何度も京都へ観光に来られてる方や長期滞在されて有名どころの観光はもう堪能したから、そろそろもっとディープな京都を味わいたいと感じておられるあなたへ!
京都の喧騒から逃れて神戸へ移り住んで20年以上、何を思ったか2年前にまた京都へ出戻りしてきたわたくしがとっておきの京都をご案内させてもらいます。
なに?そんな出戻りに案内なんかして欲しくない?...などと時折大阪のノリも織り交ぜながら進めていきたいと思いまっさ。たまにボケた時には「なんでやねん」のツッコミもお忘れなく。
雅とわびさび
さて冒頭に書いた雅とわびさびなんですが、それこそ京都人の生活そのものなのかもしれません。普段は質素倹約の日々を送りながら、神事やお使いごとで一歩外へ出る時にはきちんとした身なりを整え季節ものを奉り旬をいただく。質素と華やかさをはっきりと使い分けた生活です。
四季のはっきりした盆地ではそれこそ、うだる暑夏と底冷えの冬を耐え抜く術として神事事を習慣とする生活を教え込まれてきたような気がするのです。
旅の通はその地の由来や歴史を紐解きながら観光地を回ります。そして更に深淵に触れてそこに住む人の生活をも体験すれば、それはもう旅のプロフェッショナルです。
京都人が1200年続けてきた生活・風習に是非触れてみてください。
京都の1年
如月
京都の1年は2月に吉田神社行って節分の豆を買ってくるところから始まります。
今ではあまり見かけなくなったけど焼いた鰯(いわし)の頭を(ひいらぎ)の枝で刺して玄関の戸口に飾るのも京都の習わしです。
弥生
翌3月には下賀茂神社で流し雛祭が行われ、この頃天神さん(北野天満宮)では梅が見頃です。
桃の節句にはばら寿司、子供は引千切(ひっちぎり)という生菓子を食べ大人は白酒で祝います。
赤貝ととり貝のてっぱいなんかもこの季節にいただく旬の食べ物です。
奈良のお水取りが終わると関西にようやく春が訪れます。
卯月
4月には京都中に一斉に桜が咲き始め、いよいよ観光シーズンの到来です。
- 東は泉涌寺から銀閣寺までの長い距離の東山、それに祇園界隈
- 西は嵯峨野から嵐山
- 市内を縦断する鴨川では七条から上賀茂まで順に北上する桜が見ものです。僕なんかは敢えて人込みを避けるために八瀬まで後を伸ばして花見を楽しみます。
祇園甲部歌舞練場から「よーいやさー」の掛け声が聞こえてきます。
皐月
短命の桜が新緑に変わり年間を通して最も良い気候の5月には葵祭です。
端午の節句には立派な大人になるのを願うという鯛の兜焼きを子供のころに食べさしてもらいましたが、果たしてその効果はあったのか?
水無月
梅雨に入るとすっかり観光客も減り、そんな頃に人気のない祇園の濡れた石部を歩くのもおつなもんです。
1年の丁度半分にあたる6月30日に和菓子の水無月をいただきます。1年の前半の穢れを祓う夏越の祓え(なごしのはらえ)という習慣です。
文月
長い梅雨が明けるかどうかで毎年雨が気になる頃に祇園祭がクライマックスを迎えます。
1ヶ月に渡るこの一大行事は最終山鉾巡行で幕を閉じます。そして祇園祭が終われば京都に本格的な夏の到来です。
この季節の旬と言えば何といっても鱧(はも)料理。京の奥座敷貴船の川床(かわどこ)でおつくり・酢の物・焼き物・お吸物・鱧寿司などの鱧づくしをいただきながら涼を取るのがこの頃の楽しみ。
ちなみに鴨川でも川床は見られますがこちらは川床(ゆか)と読むようです。
葉月
盆地特有の空気が動かない暑さが京の8月です。うなぎの寝床と言われる京町屋は中庭と奥庭を用いる事で猛暑の夏を乗り切る知恵なのです。
賀茂なすや・鹿ヶ谷かぼちゃ・万願寺とうがらしなどの京野菜が旬を迎えます。これらを使った精進料理でお盆にご先祖様を迎えます。まあただ肉無しの野菜の炊いたんですけどね(笑)
16日五山送り火を見ながらご先祖様をお送りしたら京都の夏もそろそろ終わりです。
長月
日中はまだ暑さが残ってますが朝晩にはどことなく秋の気配を感じる9月です。
中秋の名月には満月に見立てた子芋を肴に一杯。
神無月
10月には京都三大祭りの一つ時代まつりが行われます。同時の夜には鞍馬で火祭りがあります。
祭りと言えば鯖寿司というほど京都の家ではよく出てくるのですが、海から遠い京都の町ではかつては日本海から鯖街道を通って塩づけされた鯖が荷車で山を越えて運ばれていたそうです。
霜月
11月になるとこの季節最大の見ものは紅葉です。桜とは逆に南下する紅葉は大原に始まり曼殊院・哲学の道・永観堂・高台寺・東福寺へと続きます。
西は高尾・栂ノ尾・斑尾。名残りの最終は宇治の興聖寺にも足を運びたい名所です。
歌舞伎役者の名前を書いた「まねき」を劇場の正面に掲げるまねき上げが南座で行われると京都に年の瀬が来たのを感じます。
師走
気温が0℃を下回る事はあまりなく雪も滅多に降らない京都ですが盆地特有の底冷えが身体の芯まで冷やします。
この寒さを我慢すれば、いえ寒ささえも風物として体験するのなら人の少ない冬は実はお勧めかもしれません。
師走の京都では千本釈迦堂の大根炊きをいただいて冷えた体を温めたり天神さんで大福梅を貰って招福息災を願うのもこの時期の良い体験になるでしょう。
大晦日には八坂さんでをけら火を貰ってクルクルと回しながら家に持ち帰る。昔はその火で炊いたお雑煮をいただくのが習慣でしたが今どきのIH加熱ではその真似事だけ。
睦月
京都には大きな神社が多くて初詣はご利益ごとに回るのもお正月の楽しみです。
- 開運には下賀茂神社・平安神宮・
- 厄除けなら上賀茂神社・八坂神社
- 商売繁盛は稲荷大社・戎神社
- 学業は北野天満宮
- 縁結びは貴船神社・地主神社
- 長寿を願うなら今宮神社
- 方除けは城南宮
お雑煮は白味噌に焼かない丸餅、上にかつお節がのっかってるだけのシンプルなもの。出汁は昆布です。
起承転結
季節の変化をはっきりと感じる京都。辛い冬の後には桜花が迎えてくれ、酷暑の夏の後には紅葉の朱が待ってくれています。
起承転結の1年を通してその変化を暮らしの中に取り入れた京都人の生活。
雅とわびさびを私たちと一緒に体感してみませんか。
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